電車の、広告から。
「途轍もない新人が現れた!」
あぁ、こういう字を、書くのね。
「とてつもない」は。
途中に轍がない、つまり前例をたどらずにここまで来たって意味で、「規格外な」「並外れた」を表す言葉です。
「驚き」がメインなので、好感、嫌悪感の、両方に使いますね。
とすると、これはもしかしたら、似てる!?
意味は、ちょっと違うけど…
「同じ轍を踏まない」
失敗を繰り返さないように、気をつけることです。
既に失敗という結果が出ている、先人、あるいは自分の前回の、“轍”をたどらないように、慎重に事を運ぶことを言います。
両者は「結果」が、異なりますよね。
「途轍もない」は、普通からの超越、
「同じ轍」は、失敗の回避です。
どちらも、決まっているはずの未来、運命から、外れることを意味しますね。
あっ、「轍」ですか?
「わだち」です。
「馬車の車輪の跡」ですよね。
道に平行に、線状に出来ます。
馬車はそれなりの重量があるので、多くの馬車が土の道を削り、溝が出来ます。
溝が出来ると、車輪は溝に落ちやすくなりますが、逆に溝に入ってしまった方が、走行が安定します。
こうして、多くの馬車が通った軌道が、「轍」なわけです。
今はアスファルトに自動車ですが、雪道などは、轍を通った方が、安全に走行出来ます。
轍がタイヤの壁になって、左右が安定しますし、雪も踏み固められていますからね。
もちろん、目的地に着いて、道を外れる時は、轍を越えなければなりませんから、力と技が要ります。
人生も、きっと同じ。
時には、敢えて「轍を越える」必要がある場面が来ますから、人生って面白いって思います。