3歳ぐらいかな?
多分、僕の頭では、一番古い記憶です。
確か、母の言うことを聞かないで、ふざけてた。
母にたしなめられて、部屋に掛かってた軸に、何かお祈りしろと言われた。
軸といっても、別に有名な書家のものじゃなくて、藍色のかなり大きなものが、床の間に掛かっていたんです。
僕はまだふざけついでに、適当に手を合わせて、何か唱える。
その時!
その掛け軸が、左右に大きく揺れたんです!
何が起こったのか、わからない。
母は「神様が励まして…」なんて言ってたけど。
ただただゾッとして、足がすくんで…。
泣きはしなかった。
いや、泣けないほど、怖かった…。
この何年かあと、真っ正面の家が火事になって、窓が真っ赤になったり、鹿児島に移った年に台風が来て、怖い思いもしたけど、僕の中では、これより怖い体験は、ないのです…。
今でも説明できないから、信じてなんかもらえないけど、本当の話、なんですよ。