(敬称略)
桑田真澄です。
現役時代は、いろんなことを言われました。
本人の、チームの注目度が、高すぎるから。
よく思ってない方も、いるでしょう。
それでも、数多くいるエースナンバー・18番から、彼を選ぶ理由はただ一つ。
「スリーアウトチェンジで、駆け足でベンチに帰るから」
もちろん、高校野球の投手は、走って帰ります。
でも、プロはほとんど、投手は歩いて帰ります。
外野から駆けてくるチームメイトが、追い越したりね。
「ピッチャーは特別。先発完投のためには、むしろ歩いて帰るべき」という考えも、あるそうです。
プロとしては、それは正しいのでしょう。
でも、「好きなのはどっち?」と訊かれたら、間違いなく僕は、「桑田のスタイル」と答えます。
投手だって、野手の一人。
むしろ、野手の協力がなければ、完投なんてできない。
そのことを、選手・桑田真澄は、よく知っていたんじゃないか?
投手と野手の関係は、“主従”ではないのです。
暗い、グレーなイメージがつきまとった彼ですが、きわめて真摯に、野球に打ち込んでいた。
だから、巨人ファンを辞めても、嫌いになることはありませんでした。
原と、桑田だけは…。
今は大学で修士号を取ったり、東大野球部を指導したり。
マルチな活躍の中で、彼の野球論を、後進に伝えてほしいですね。