「コードネームの記憶…」のために、2,000文字以上も書いておいて、さあ上げようと思ったら、「その文字は既に、書いていた…」ってパターン…。
時々ありますが、気にせずに…
Motor。
電力で回転して、力を生み出す装置です。
「電動機」です。
昔、プラモデルや工作なんかで、小型のモーターを使いましたね。
大手は、マブチモーター!
乾電池で動く「直流モーター」を、よく使いました。
電車で使われているモーターも、原理としては同じものです。
この115系は、直流直巻モーターを駆動します。
モーターの軸に電線が巻いてあり、電流を通すと磁界が発生します。
この磁界と、それを包む部分(界磁)にある電磁石との間で、引き合い、反発し合う力が、軸を回転させます。
特性上、起動時に大きな力(トルク)を発生出来るため、電車用としては、古くから使われています。
鉄道車両って、軽くても数十トンはあります。
意外と、重たいんですよ。
この車両は、東急8500系ですが、直流複巻電動機という、特別なモーターを載せています。
先ほどの直流直巻電動機は、回転する電機子と、ぞれを包む界磁が、電気的には直列で接続されていますが、この複巻電動機は、コイルの一部が、界磁と並列接続(分巻線)になっていて、構造は複雑になります。
その代わり、分巻線の電流を制御することで、省エネな回生ブレーキを実現出来たため、結構採用例があります。
実際には、分巻線の電流をチョッパ制御することで、並列につながった、界磁部分の電圧が制御でき、架線に電力を返すことが出来たため、「界磁チョッパ」なんて言われます。
(チョッパ制御:電流を細かくオンオフし、見かけの電流を制御する方法)
今は、この方式が主流ですね。
この東京メトロ08系は、誘導電動機を駆動します。
これまでは直流モーターでしたが、今度は交流モーターですね。
これまでのモーターは、回転する電機子と、包み込む界磁を、電気的に接続していました。
でも、直接電線なんかつなぐと、ねじ切れてしまいますよね。
そこで、ブラシのような接続部分を使って、緩くつないでいたんです。
もちろん、ブラシは回転する軸に当てるため、摩耗します。
定期的に点検、交換が必要だったんです。
この誘導電動機は、交流、正確には三相交流を使って、モーターを回します。
三相交流をオシロスコープで見ると、波形は3つの山が重なりつつ、順番に流れていくそうですよ。
交流は直流と違い、各点の電圧が上がったり下がったりします。
その流れを利用し、磁界を作り出すと、「電磁誘導の法則」により、力が生じます。
これを、軸の回転に使うわけです。
これなら、回転軸と界磁とを、電気的につなぐ必要がありません。
定期的な点検が不要になる他、誘導電動機は軽くて頑丈なため、逆に出力を大きく出来る利点もあります。
鉄道用には、電圧や周波数を自在に操作することが難しかったんですが、それを実現する、「VVVFインバータ(Variable Voltage Variable Frequency Inverter:可変電圧可変周波数交直流変換装置) 」の実用化により、ネックが解消。
様々なメリットが、享受出来るようになったわけです。
よく、クーラーなどのCMで謳われた「インバータ」も、これなんですよ。
クーラーに給電する、差し込み口が3つあるコンセントには、三相交流が来ています。
日本には交流電化の路線もありますが、家庭電源と同じ、単相の交流なんですよね。
三相交流の方が、回転させるには適しているので、交流車はわざわざ、電流を直流に直してから、三相交流を作っているそうですよ。
今は、さらにこんな方式が。
東京メトロ13000系です。
積んでるのは、「永久磁石同期電動機」だそうです。
これまでのモーターは、磁石には電磁石を使ってきました。
電流を加減すれば、磁力を制御出来ますからね。
でも、みっちり巻いたコイルからは、熱が発生しましてね。
冷却する仕組みが必要だったんです。
この「永久磁石同期電動機」は、磁石に永久磁石を使いますから、温度上昇がありません。
熱が籠もりやすい、地下鉄向きの電動機です。
永久磁石同期電動機は、回転軸と、それを包む界磁とが、それぞれ作る回転磁力の差を利用して、磁力で極性を吸着させて、回転します。
浮上式のリニアモーターカーに近い、原理ですね。
誘導電動機よりもさらに小型化でき、効率も良い電動機だそうです。
ただし、止まっている同期電動機を動かすためには、別の回路からきっかけを与える必要があり、さらには制御のためのVVVFインバータ装置が、モーター1個につき1個必要になります。
VVVFインバータが普及、安価になったことで、実現したモーターだと思います。
鉄道のモーターも、ずいぶん進化したんですね♪
この方たちは、元気かな?