今週のお題「読書の秋」
読んだのはもう随分前ですが、感銘を受けた本です。
今では何らかの発達障害って言われるんでしょうね。
小学校で奇行を繰り返して退学になり、トモエ学園に転校。
そこでの校長や先生、同級生たちとの物語です。
随分前に読んだ本なので、覚えてるのは断片的ですが、例えば、小児麻痺の男の子との交流。
描写は覚えてないんですが、少なくともいじめられて、なんて感じではなかったと思う。
障害者が普通に共存する世界が、描かれていた印象があります。
「海のものと山のもの」なんてお話もありました。
印象に残ってるのは、僕が食いしん坊だからですが?、海産物と山の幸を、必ずお弁当に入れてね、ってお話。
トットちゃんは確か、確か海のものが入ってるかどうか、心配になった。
でも、「ちゃんとあるね~」って、先生に見つけてもらって。
この食材が海のものだったのを、僕は初めて知りました。
あと、トイレでしゃがんだ時に、財布を落とした??
困ったトットちゃん、捜索開始!
ひしゃくで汚物を汲み取り続けて…
それを見つけた校長が一言…
この学園の「寛容さ」を表す、エピソードでした。
子供には、いろんな子供がいます。
東大・京大を目指すべく、集中して勉強できる子もいれば、スポーツや文化文芸に力を発揮する子もいる。
常に輪の中心にいて、笑顔が絶えない子もいれば、人を笑わすのが上手い子もいる。
リーダーとして面倒見を発揮する子もいれば、よくないことに警鐘を鳴らし続ける子もいる。
注意力が散漫な子も、泣き虫な子も、傷付きやすい子も、傷つけてしまう子も。
いじめっ子も、いじめられっ子も。
自分を抑えることが難しい子も、自分を押さえつけてしまう子も。
障害を持った子も、他の子と上手くやるのが苦手な子も、いるでしょう。
そりゃあ、みんな普通の学校で、上手くやるのが、理想でしょう。
でも、もし上手く行かなかった場合に、その子が自分に合った環境を見つけることを、行政や世間が妨げないような社会に、なるといいなと思っています。
人は環境によって、大きく変わります。
僕が、そうだったから。
他の記事でも何度か書きましたが、自分に合った環境を見つけられれば、人間的に大きく成長できるのです。
そして、自分に合った環境というのは、その子によってみんな違うのです。
「トモエ学園」のように、寛容な環境が合う場合もありますし、もっと厳しい環境の方が、成長する子もいる。
だから、行政には特に、多くの環境の選択肢を作って欲しいのです。
「普通」の子だけが、子供じゃない。
いや、もっと言えば、「普通」の子なんて、存在しないのです。
多様に生まれた子供たちが、多様に成長し、多様に幸せをつかめるような、教育体系になるといいですね。