最後に、職用車の「キ」を。
雪かき車です。
記号は「ユキの「キ」」。
「ユ」は郵便車なので、避けたのでしょう。
北国、雪国の車両ですので、稼働車に会ったことはないですが、保存車はあったかも知れません。
よく使われたのは、線路上の雪を押し出して、脇に壁を作る「ラッセル車」ですが、壁が高くなると、線路内に崩れてしまいます。
そこで、壁を意図的に崩して線路内に戻す「マックレー車」と、その雪を吸い込んで遠くに吹き飛ばす「ロータリー車」の出番が来ます。
前後に機関車がついて、4両1ユニットで働いたので、「キマロキ編成」なんて言われてたそうです。
今も雪国では、除雪は重要な任務ですが、雪かき車はほとんど使われなくなりました。
理由の一つは、ラッセルをパーツにして、着脱できる機関車が現れたこと。
もう一つは「モーターカー」の登場です。
モーターカーはレールには乗りますが、機械扱いなので、制限速度は45km/h。
また、信号を赤にして、他の列車が入れないようにした区間しか、走ることができません。
しかし、それも補ってあまりあるメリットとして、保線員でも操作が出来るのです。
「鉄道車両ではないから」
「キ」の車両の活躍の場は、極めて狭くなってしまいましたが、使い勝手に富んだモーターカーが、バトンを受け継いだ、とも言えるでしょう。