東武12480号車。
車番を見て、無理して乗ろうと思いました。
この編成、特殊車なんです。
もっと言えば、惰性で動く電車のスピードで、モーターを回して逆に発電。
それを架線に返して、他の編成で消費させて、ブレーキ力を得ます。
かつては電圧の制御が難しかったんですが、実現すれば非常に省エネな、電車になるのです。
これを、界磁チョッパ車では界磁、つまりモーター側の磁石に掛かる電圧を、チョッパ制御(チョッパ制御=細かくオンオフして、見かけの電圧を制御すること)して、実現していましたが、次世代のモーターとして、VVVFインバーターを使う実験がなされていまして。
VVVFとは(Variable Volts Variable Frequently)で、「可変電圧可変周波数」を意味します。
これにより、それまで難しかった、交流の実質的な制御が可能になります。
また、比較的軽く、メンテナンスも直流モーターより遥かに楽な、誘導電動機も使えるようになりました。
技術的には大きな壁はありましたが、乗り越えてしまえば、大きなメリットのある技術なのです。
東武ではこのインバーターを、当時の標準車、10000系の1編成に載せて、試験をしました。
なので、同型の他の編成とは、明らかに音が違います。
これと似たようなことは、他社にもあって。
小田急では2666編成を改造して、インバーターを載せましたし、東急では8542編成の中間部だけインバーター化して、比較試験したようです。
これは実験ではありませんが、東京メトロ南北線の9001編成と9003編成は、編成が長くなる過程で、三菱電機製と東洋電機製のインバーターを両方載せて。
編成の前と後ろで、インバーターの音が違う、なんてことが起きました。
(現在は、解消されているようです)
後は、グリーン車を格下げ改造して、シートをそのまま使ってる車両とか、量産されず、プロトタイプだけが残って、結果的に「特殊車」になったものとか、いろいろあります。
こういう「知る人ぞ知る」車両を知ってると、鉄道趣味もより一層、楽しくなると思いますよ。