退勤、ボギーでした。
錦糸町駅の階段を、とぼとぼ帰ります。
後ろから、男性2人組が近づいてきました。
おしゃべりしながら。
こんな時は邪魔になりたくもないので、大人しく抜かせるか、こっちも少しスピードを上げるんですが、結局彼らは僕を抜いていきました。
こんな言葉を、残して。
「5,6年前に、戻りたい!」
ちょっと、びっくりしました。
実は、彼らはまだ若者。
20代か、あるいは未成年にも見えたからです。
なら、6年前は学生?
“子供”でも、あったかもしれません。
若い彼らの6年は、僕らの6年とは重みが全然違う。
6年も巻き戻したら、全く違う人生になるでしょうね。
僕の6年前は、再就職直後。
それから少しずつ、基盤を築いて来ただけに、今さらもう戻りたくない思いが、僕にはあるので、尚更驚いたわけです。
そうか~ 若者はみんな希望に燃え、前を向き、今を謳歌してるわけじゃないんですね。
彼らなりに、栄光も挫折も、あったわけです。
過去の栄光に戻りたくなることだって、あるのでしょうね。
どんな栄光に、戻りたいのかな?
クラス一の人気者だった!?
スポーツ万能のアスリート!?
それとも、テストなら誰にも負けない、秀才君!?
女の子のモテモテの、プレイボーイだった!?
みんなに可愛がられる男の子だった!?
そう、お父さんやお母さん、きょうだいたちが、一心に愛情を注いでくれたかな?
…と、ここまで書いて、はと気づきました。
僕、どれにも該当しないのです。
最後の「愛情」の部分を除いては。
僕の子供時代には、栄光の時代はなかったんですね。
だから、きっと戻りたくもないんです。
そう、「戻りたいな~」なんて思える子供時代は、大変幸せだったんですね。
ただ、僕自身も子供時代が不幸だったわけでは、まったくない。
若い時代も、うつの時代も、大変だったけど、全く真っ暗じゃないしね。
でも、比較すると、今の方がより、幸せなんでしょう。
若い頃は、将来によくなる展望なんて、持てなかった。
でも、当時思い描いていた、お先真っ暗な未来とは、随分違う人生を歩んでいる。
みんながそうなるかどうかはわからないけど、将来の展望なんて、いろんな要素がありすぎて、どんなに予想したって、その通りなんかならないことが多い。
どうせ、その時になってみないとわからないんなら…、
「今を精一杯生きよう」って、今は思っています。