ホームへ出て、電車がきたので、乗ろうかと。
割と、ゆっくり目で。
そしたら後ろから、誰かが小突く。
女性が回り込み、追い抜いて、先に乗車。
…混んでないし、別に割り込まれたっていいんだけど、なんで?
慌てなくても、発車ベルも鳴ってないし。
でもその理由は、すぐにわかることに。
その女性、開いてるドアと反対側の手すりに掛かってた、茶色い傘をサッと取り上げて、きびすを返して乗ってきたドアへ!
そう、彼女は「(降りた)電車に飛び乗って、忘れ物の傘をゲット、さらにその電車から飛び降りる」って動作を、ドアが閉まる前にしなければならなかったのね。
彼女としては、危機であり、賭けだったのでした。
平凡な人生と思っていても、その中身はドラマチックで、波乱に満ちたものなのです。