この前組み立てた模型。
419系という系列になります。
北陸地方で、普通列車として活躍した電車ですが、実は419系は、第二の人生。
元々は583系という、特急電車でした。
583系は、直流区間、交流区間ともに走れる特急電車で、座席車としても、寝台車としても使える、欲張りな電車として登場しました。
そのため、寝台は狭い三段式、座席はリクライニングもないボックスシートと、内装は決して良くはありませんでした。
そもそも、モーターが各車両にある電車を寝台車に使うこと自体、世界的に稀な存在だったのです。
こんな車両が生まれた背景は、実は車両基地の容量不足。
寝台専用の客車だと、到着して折り返すまでの昼間、車両基地に置いておかなければなりませんでしたが、583系は座席特急に出来たので、昼の特急列車に使えた。
効率よく(過酷に)、運用できたわけです。
しかし、新幹線が博多まで伸びた時点で、特急列車も寝台特急も需要が激減、583系は大量に余ることになってしまいました。
一方、北陸や九州は交流電化が進み、普通電車が大量に必要になりました。
そこで、余っていた583系を改造、編成の分割・短縮化、寝台の撤去や閉鎖、ドアの増設、トイレ等の減少などを行って、419系は登場しました。
ワインレッドの、派手な色ですね。
華の特急列車、昼夜を問わず働く運用からは、“役不足”とも言える転身だったかも知れません。
でもこの419系、転身から27年も働いたんです。
雪深い北陸で、地味な普通列車の運用を、黙々と。
不遇かもしれなくても、与えられた、求められた環境で、精一杯の力を発揮する。
人生に通じるところが、あるような気がします。