貨車の場合、「水運車」と言います。
文字通り、水を運ぶ貨車。
「ミズ」の“ミ”です。
ただし、商品としての水を運ぶことは稀で、主任務は蒸気機関車のいる機関区に、良質な水を運ぶこと。
“蒸気”機関車ですから、石炭よりも煙よりも、「水」が重要なのです。
なので、水の便の悪い地域には、水運車の列車を仕立てて、水を運んだそうです。
確か、長い路線を走る場合、途中で水が足らなくなるのを見越して、編成に水運車を連結しておき、途中でそこから補給した、なんて話も、聞いたことがあります。
「増槽(戦闘機の追加燃料タンク)」の役割も、果たしたわけです。
ただ、福岡で渇水が起きたときに、この水運車が給水目的で、最後のひと頑張りをしたことも、あるそうですよ。