今は存在しない客車です。
存在しては、いけないかも。
病客車。
「シッペイ(疾病)」の「へ」です。
今の方は「救急車」のような客車を想像するかも知れませんが、実際には戦争の傷病兵を輸送するための客車でした。
日露戦争あたりから作られ、日中戦争時には大量増備。戦後もGHQの要請があり、朝鮮戦争まで使用されたそうです。
担架のまま乗車可能で、病院や療養所に送られたそうで、当時はハンセン病患者の輸送にも使われたそうです。
戦争では精神的にダメージを受ける兵士も増えるわけで、それなりの装備を設けた車両もありました。
もちろん軍なんで、階級によって一等病客車、二等病客車、三等病客車があり、使える客車が決まっていたそうです。
この車両が展示目的以外で復活、再度活躍しないことを祈ります。