久々に客車につく記号、「展望車」です。
最近のJRには前面展望を謳う車両もありますが、本来、「テ」が付くのは、あくまで一等車の設備として、オープンなデッキを持つ車両。
マイテとか、スイテとか、一等車として製造されました。
まぁ、称号改正で「ロテ」もありましたし、JR北海道からは「オクハテ」??なんて珍車も、出ましたけどね。
余剰客車をトロッコ車両に改造した、オープンカーのような客車です。
オ…大型車(自重32.5t以上37.5t未満の客車)
ク…制御車
ハ…普通車
テ…展望車??
っていうわけです。
本来の?展望車に戻りますが…
展望デッキが使われたのは、実は発車前で、見送りを受けるために、車内から挨拶するための設備だったそうです。
なので、乗客が走行中に展望デッキに出ることは、稀だったようですよ。
ところで…
展望車は、常に編成の最後尾でなければなりません。
用途上、展望車が機関車の後ろに来たのでは意味がないし、一等車でもある展望車は高価で、編成の両端に付けるわけにもいきません。
なので、終着駅に着いて折り返すには、通常、編成そのものをひっくり返します。
東京駅へ到着した列車は、山手線の大崎駅まで行って折返し、大崎支線に入って、品鶴線(現:横須賀線)との合流点、蛇窪信号場でさらに折り返すと、あら不思議。
編成は見事に前後逆!
ひっくり返るのでした。
形はちょっと複雑ですが、品川駅、大崎駅、蛇窪信号場で、三方向の交差点、デルタ線が構成されているわけですね。
蛇窪信号場には昔、ひっくり返される編成の待機用に、専用の引き込み線があったそうですよ。