寝る車、「寝台車」に付く記号です。
昔からある車両で、夜行列車に使われますね。
夜行の普通列車に連結された例もありました。
きっぷを買うのに便利なように、普通列車であっても愛称が付けられました。
まさか、「791列車のB寝台1枚!」なんて、客に言わせるわけにもいきませんでしたから。
「山陰」とか、「ながさき」とか、ありましたね。
昔の一等寝台が「イネ」(JR九州のななつ星も)、二等寝台とA寝台が「ロネ」、三等寝台とB寝台が「ハネ」がつきました。
B寝台の「ハネ」。
跳ねるほど乗り心地が悪いなんてことはなく、やっぱり横になれるのは楽ですね。
客車列車は通路が窓際にあって。折り畳みの椅子がありました。
そこに座って、宵や真夜中の夜景、朝方の車窓を眺めて過ごすのは、何とも言えぬ贅沢でしたね♪
戦後のB寝台車は、星の数で設備を表しました。
星一つは客車三段式。
乗ったことはありませんが、かなり狭かったでしょうし、高さもないので、圧迫感もあったと思います。
枕木方向に寝ますが、座席にも使うため、幅は広く出来ません。
長さはあるので、背の高い人には向きますがね。
星二つは電車三段式。
こちらも圧迫感はあったでしょうが、電車三段式は昼の特急用に、左右二人掛けずつの座席車にもする関係で、寝台はレール方向に並びました。
この方が横幅が広いのと(縦幅は短い)、進行方向を向く分、乗り心地はよかったようです。
星三つは二段式。
居住性向上を狙って、寝台を二段にした(改造した)車両です。
寝台内で立てないまでも、体を起こすことが出来るようになったのは、大きな進歩です。
星四つは、カルテットという四人用個室でした。
向かい合わせの二段寝台を、仕切って個室にしたものです。
開放型のB寝台では、カーテンで締めきることは出来ましたが、列車によっては午後や宵の口から走るものもあるわけで、その時はカーテンを開けて、見知らぬ乗客と仲良くなったり、なんてこともありましたね。
楽しい、思い出です。
一方、近年はB寝台にも「個室」が登場しました。
居住空間こそ狭いものの、鍵がかかり、プライバシーが確保できました。
女性の旅などにはよかったでしょうけど、男性だって、一人でいたいときはありますもんね。
料金はB寝台の下段と同じ。
中には多少高いものもありました。
寝台特急「北陸」は、ほとんど個室の特急でした。
ビジネス利用が、圧倒的に多かったんです。
こんなキーカードが、配られました。
寝台特急「あかつき」にも、個室に乗りました。
この時は「シングルツイン」という、車端部の広いスペースを確保できました♪
A寝台「ロネ」は、居住空間が広かったり、近年はウエルカムドリンクなどが付いたりと、一ランク上のサービスが受けられます。
寝台急行「銀河」のA寝台に家族を乗せましたが、僕以外の評判は、あんまりよくなかったな…。
開放型A寝台で、広さはあったんですけどね。
寝台特急「サンライズ出雲」でも、A寝台個室に乗ったことがあります♪
ベッドの他に、デスクやイスがあって、さながらビジネスホテルでしたよ。
実は、衛星放送のテレビまでありました。
あと、真っ先に検札が来ます。
会社側としては、誤乗されてはたまらない!ってとこなんでしょうけど、客としても、早く検札してもらった方が、すぐに楽になれますね。
こちらは「シャワーカード」
B寝台客も買えば使えましたが、A寝台客は1回無料で使えました。
中は狭いながらもシャワールーム。
大きなデジタル表示があり、あと何分お湯が出るか、確認できました。
鉄道にとって、水は貴重なのです。
「サンライズ出雲」は、今回紹介した中では、唯一現在も走る特急列車ですが、今は乗るのは大変!
今、JR東日本の「えきねっと」で、大半のきっぷが買えますが、寝台車は対象外。
しかも、かつてたくさんあった、九州行きの夜行列車は全て整理され、今や残るのは、この列車だけです。
なので、この列車に乗るためには、発売の1ヶ月前の10時、みどりの窓口に並ばねばなりません。
特に女性に人気で、競争率が高いのです。
前から人気の高い列車でしたが、すっかり「高嶺の花」に、なってしまいました…。