「まぁいっか」
失われた30代から、立ち直るきっかけになった言葉です。
要は、変えられぬ現状は現状として認めた上で、よりよい方法を見つけよう、ってわけです。
諦めてるようで、実は結構前向きな言葉、なんですよ。
突然ですが…
一回り前の、33歳の頃のお話。。。
この時の就職は、リーマンショックがあったり、パワハラ上司に当たったりして、3年弱で終わってしまったけど、立ち直りは早かった。
あの頃は失業して1年、うつの治療中。
失業につながったうつは、自分で自分を貶め、呪い、押しつぶした結果。
でも、あの時はそうするしかなかった。
自信も、自尊心さえ、なかったんだから。
失業から時がたち、そろそろ職を探さないと、と自分でも思い、家族からもそう思われつつある頃。それが、33歳頃でした。
でも、結局怖くて踏み出せなかった。
自信が回復してるわけもなく。
思えば、高いハードルでした。
対人関係にはもともと弱く、慣れてもいなかった。
人に会ったら、僕のダメさ加減が、浮き彫りになる。
うまく言葉を返せなくて、焦る、困る!
どうせ失敗するだろう。
失敗したら、やだな~
無為に時間を、過ごしていましたね。
そう、僕には高いハードル。
大逆転を狙ったわけではないけれど、身の程を考えれば、実は実現困難な課題でした。
一足飛びには、ね。
しかも、今までの負の経歴が、よけい足を引っ張る。
留年した事実。
会社でうまく行かなかった事実。
病気になった事実。
長く無職な事実。
ゴールからは、遥かにマイナスの位置にいました。
これでは、成功するのは至難の業。
失敗すれば、また自分を呪い、萎縮する。
次第に、挑戦さえしなくなる。
悪循環でした。
2回目の自殺を試みたのは、もうちょっとしてから。
自殺の本を買って、道具も揃えて…
成功も何も、布団から抜けられなかったけど。
失敗すると、「死ぬことすら出来なかった…」と、余計落ち込み、自分を責め…。
そんな僕も30代半ばに。
ここで、抜け出すきっかけがひとつ。
何かのきっかけで再開した就職活動で、面接の原稿を徹底的に書いたんです。
面接では長所をアピールし、短所は得た経験を話して、次につなげるように話す。
これって実は、負の事実を是認して、前を向かせる作業でもあったんです。
今まであったネガティブなこと…。
でも、見つめていけば、どこかにきっと、次に活かせる経験が潜んでる。
それに気づけば、ネガティブなことを、是認できる。
次の成功につながるかも知れないと思えば…。
「まぁいっか…」ってね。
これが、後ろばっかり向いていた僕を、前を向かせるきっかけになったんです。
是認すれば、後ろを向く必要は、なくなりますから。
負の経歴は、残念ながら変えられない。
でも、経験を生かせると思えれば、無駄ではなくなる。乗り越えられる。
自分なりに計画を立てて、態勢を整えられた。
対人関係克服のために通った「リワークデイケア」で、新たな出会いに恵まれた。
さらに自分を見つめ直し、自信もついた。
これらが結果的に、少しずつのステップアップになっていったんです。
今の職について、まもなく5年になります。
交友関係も広がり、我ながら、以前とは見違えます。
こうなると、30代は決して“失われた”ではなかった。
もがきながら、苦しみながら、でも貴重な経験を手にした、そんな時代だったと、今は思います。