京版の「の」は、
「鑿と言えば槌」です。
…読めない?
「のみといえばつち」ですよ。
削るヤツと、それを叩くヤツ。
ご存知の通り、この2つは両方揃って、初めて用をなすものです。
鑿を貸してくれと言われれば、機転の利く人、普段から鑿を使う人は、それを打つための槌も、きっと付けて渡すことでしょう。
そういった、「気が利くこと」を言うんだそうです。
今日は職場で、こんなことが。
部署は全員出払っていて、僕一人で執務中。
別の部の課長が、訪ねてきました。
僕が扱うSFA(営業支援システム)について、質問があったようなんですが…、
電話が掛かってきまして。
促されて電話に出ると、隣の部の人への取り次ぎでした。
転送の手続きをしていたら…
なんと、もう一本電話が掛かってきました!!
もちろん、僕は処理出来ませんから、大きな声で「誰か出て-!」
…訪ねてきた課長が、出てくれたのです。
僕の取り次ぎは終わって、自席に。
その課長は、空席である隣の席の電話を相手に、何か込み入った話のよう。
こんな時、一番必要な物が、実はその席にはなかったので、僕がそっと渡してあげました。
何かって?
「メモ帳とボールペン」
課長、我が意を得たりと、メモに何やら書き留めて、別の人に取り次いでいきました。
電話を受けるとき、特に出だしのうちは、相手の話を一方的に聞くことになります。
こっちは何の予備知識のない状態で聞くことになりますから、言われたことを覚えて、咀嚼して、理解するのは、なかなかに難しいのです。
ましてや、他部の電話をいきなり取ったわけですからね。
少なくともメモを取りながらでないと、言われたことを覚えることさえ、ままならないのですよ。
手前味噌ではありますが、普段毎日電話を取っている経験からの、機転だったと思います。
そう、このことわざは今風に言えば、
「電話にメモセット!?」
なのですよ。