貨車につくと、「鉄側有蓋車」になります。
昭和初期の、車両です。
大正頃から、それまで木製だった有蓋車(箱型の一般貨車)を、鋼製に置き換えていく取り組みが始まりました。
まず、壁の部分を鉄にした貨車が、登場しました。
丈夫になる分、積載量とか安定輸送とか、いろいろメリットは考えられますが、いざ造ってみると、決定的な欠点が一つ。
断熱性が、ないのです。
夏は灼熱、冬は極寒。
こんな環境では、当時の主力貨物、お米の輸送は出来ないのです。
結局、内側に木板を張ることで解決、今の有蓋車の原型になるんですが、これがない貨車は、温度管理が必要がある貨物は積めないことを知らしめるために、鉄側有蓋車「ス」として区分されることになりました。
一種の「レッテル」だったのですね。
それでも、石灰などを運ぶにはこれで十分と、私鉄では戦後も造られたそうですよ。
貨車改良の歴史の1ページとして、記憶に留めておくことにします。