松本在住時、松本郵便局で、バイトしたことがありました。
学生時代だから、もう20年も前のことです。
仕事は内勤で、当時導入された、あて先自動読取区分機の操作。
郵便局に到着した郵便物のうち、封書やはがきなどを地区ごとに分ける「配達区分」と、逆に窓口やポストから引受、収集した郵便物を、全国の地域ごとに分ける「差立区分(さしたてくぶん)」がありました。
配達区分では、宛名(大口事業者)までちゃんと、読みましてね。
手書きも混じる中、6割は読み取ってました。
年賀状だと、もうちょっと率が上がったかな?
でも、あまりに“達筆”すぎると、読み取れないこともありました。
一方、差立区分では郵便番号(当時はまだ5桁)のみを読み取るため、8割ぐらい。
印刷物のみだと、9割以上の確率で区分できました。
現在の郵便番号は7桁ですが、基本構造は5桁時代を踏襲しています。
上位2桁で、地域を表します。
それに従って、その地域を代表する郵便局に、送られるわけです。
松本の場合は、39。
長野県の中南信地域、松本や諏訪、飯田などが含まれます。
この地域の郵便物は、地域区分局である松本南郵便局に送られ、ここで地域内に仕分けされます。
その次の3桁目は、その地域内での大きな郵便局に割り当てられます。
松本郵便局は、390。
以下
391…茅野
392…諏訪
393…下諏訪
394…岡谷
395…飯田
396…伊那
397…木曽福島
398…大町
これらに近隣の地域は、さらに4,5桁目の枝番が付くわけです。
ちなみに390の枝番は…
390-02…里山辺(美ヶ原温泉、美ヶ原高原の一部を含みます)
390-03…浅間温泉(松本の奥座敷と言われる温泉街です)
390-11…今井(電力の周波数変換が出来る変電所がある、朝日村を含みます)
390-12…神林(空港隣接のスカイパークなどの施設があります)
390-13…山形(日本アルプスサラダ街道は、開発をせずに人を呼ぶ試みです)
390-14…波田(スイカやフルーツの産地)
390-15…島々(上高地を含み、僻地勤務地でした)
390-16…奈川(奈川渡ダムがあります)
20年経っても、覚えてるもんですねぇ…。
ちなみに399は松本南郵便局ですが、本来は「鉄道郵便局の乗務員」を意味します。
その地域の鉄道郵便局に宛てて送り、郵便車の中で区分しては積み下ろすわけです。
地域にもよりますが、39地域の場合は、枝番が01~96までびっしり!
とても全部は紹介できません。
ただ、01~46は飯田・伊那・駒ヶ根地域、51~65は木曽から塩尻と松本南部近辺、71~86は松本市北部近辺、91~96は大町・白馬・小谷地域でした。
399-51の山口郵便局は、今は岐阜県になってしまいましたが…。
現在は7桁ですから、これに町名を表す2または4桁の番号が、付くわけです。
ところで、先ほどの差し立て区分に戻ると…
郵便番号の数字を読むわけですから、候補は少ないので、高速です。
しかし、書き方によっては、とんでもない宛て先の郵便物が、舞い込むことがありました。
38の長野・上田が多かったのは言うまでもないとして、
他県で多かったのは、実は鹿児島への郵便物。
鹿児島の上2桁は、89。
3と8は、機械も間違えやすいのです。
ちょっと欠けると39と読まれてしまい、松本まで来てしまうのです。
差出地にもよりますが、鹿児島への郵便物が松本を経由してしまっては、多分2日は余計にかかったでしょうね…。
あとは、水戸の31。
1の書き方によっては、9と読まれてしまうんですが、9を細く書かれると“1”に見えてしまうので、逆に松本宛のが、水戸へ行ってしまうこともあったでしょうね。
同様の理由で、30の土浦も、よく来ました。
34の越谷(草加)も、結構来た記憶があります。
9と4って、似てるでしょ?
どちらも上部にに丸があるので、判別は難しかったと思います。
あと、意外に多かったのが、松江と松山。
松本と似てますよね。
しかも、郵便番号にもワナが!
松本…39
松江…69
松山…79
…誰がこんな郵便番号体系に、したんでしょうね。
まあ、例えば企業情報などで、所在地を調べるとき、郵便番号がわかると、だいたいどの地域なのか、想像が付きますけどね。
「昔取った杵柄」ってヤツとも、言えるかな?