貨車にも、「ナ」を名乗るものがありました。
活魚車。サカナ、ナマザカナの「ナ」です。
車内に生け簀ががあり、活きた魚を都会まで!…かと思いきや、実は稚魚専用!
琵琶湖からアユやフナなどの稚魚を、全国に送った車両だそうです。
構造は特殊中の特殊!
なんたって、稚魚を「冬眠状態」にして運ぶんですから。
戦前の貨車だった(!)ので、氷冷でしたけど、ちゃんと水温を下げる仕組みが、備わっていました。
試験して出た問題は、創意と工夫で解決。
水槽からは水がこぼれますが、「ンなこたぁアタボウよ!」とばかりに、こぼれた水を回収して、また水槽に注ぐ、循環システムを構築!
稚魚には特に重要な酸素も、ブレーキ用の圧縮空気を転用(初代)、時には手動ポンプまで使って、濃度を確保するなど、技術と英知の粋を集めた、スーパー貨車だったそうですよ♪
策に策を弄した車両でしたが、戦争で運用中止。
戦後は…
使われることは、なかったそうです。
あまりの複雑さに、運用が出来ないと。
策に溺れたのは、もちろん魚ではなく…