今やお菓子の一分野となった、柿の種。
「ピーナッツがうまい!」なんて書かれてるけど、ピリ辛の味付けは、「元祖・やめられない止まらない!」ですよね~
新潟銘菓、ってのは、ご存知のところ。
新潟にはメーカーがいくつかありますが、一番大きく商売をしているのは、亀田製菓株式会社(左下)。
19億円超の資本金を積む、東証一部上場企業です。
右下の三幸製菓は、新潟市北区の会社。
知名度はありませんが、比較的安価に作っていますね。
根強いファンがいます。
しかし、この2社は戦後の創業。
元祖はやっぱり「浪花屋製菓株式会社」です。
長岡市の会社ですが、創業は大正12年の、老舗ですよ。
ここで実は、こんなことがあったとか。
当時、この会社はあられを作っていて、何層かの伸し餅を重ねたところを、丸い型でくりぬいて、あられを作っていました。
ところがある日、創業者の奥様が、この大事な型を誤って踏みつぶしてしまった!
さあ大変!でもどうにもならず。
当時、まだ金型自体、貴重なものだったのでしょう。
そのままの形で型を使い続けたところ、どなたかに「(本物の)柿の種に似てる」といわれたのが、「(あられ)柿の種」の始まりとなったのでした。
奥様は辛かったでしょうが、後にお菓子の定番と言われるぐらいの商品を、生み出したことになるのです。
女性の失敗と言えば、こちらも。
とんこつラーメン。
これは本場・久留米の流れをくむ「魁龍」というお店です。
濃い~ですよ~!!
でも、これだけ濃くて、これだけ美味いラーメンは、他にありません。
とんこつラーメンのルーツは、久留米だという説があります。
とんこつを使って出汁を取るのは、いくつかあったようですが、白濁したスープには、こんなエピソードがあります。
久留米の「三九」という屋台でのこと。
店主はある時、お母さんに火加減を任せて、外出したことがありました。
帰ってくると、どうも様子が変。
スープが煮たたりすぎて、スープは真っ白!!
ところがご主人、スープを捨てることなく、一口飲んでみた!
そうすると…
「コクがあって、美味い!!」
実は、高火力でゼラチンが溶け出し、お湯と脂が乳化現象を起こして、クリーミーなスープに仕上がっていたのでした。
こうして生まれた、白濁のとんこつラーメン。
今や博多ラーメンの代名詞、もっと言えば、醤油・味噌・塩に次ぐ、ラーメン第四極を築き上げるまでに成長しました。
海外へもラーメンが進出して久しいですが、中でも“とんこつラーメン”の人気が、一番高いそうですよ。
柿の種と、とんこつラーメン。
押しも押されもせぬ、日本の食の陰には、
「災い転じて福とした」
2人の女性がいた、って言うお話でした!