もうひとつの「ク」は、車運車。
文字通り、車を運びます。
「クルマの「ク」」ですね。
ほとんど枠だけで、直接車を運転して、貨車に載せました。
ただ、今はほとんど、最初からトラック輸送です。
いくら線路上は貨車で運べても、ターミナルでは自走して下ろせても、そこから販売店までは、トラックが必要になりますから。
積み荷の車がまだ「商品」である以上、許可なくして公道を走るわけには、いかないのです。
一方、近年では営業用のトラックを直接積むための車運車も存在しました。
「クム」「クキ」の他、「クサ」もあったそうです。
…臭くはないとは思いますが。。。
サービスは「ピギーバック」と言いました。
何故“豚の背中”なのか?というツッコミはさておき(注:肩車のことだそうです)、このサービスはトラックを直接積むことで、ドライバーを休ませつつ、トラックごと遠くへ運べる、というメリットがありました。
しかも、何台ものトラックを、いっぺんに。
輸送力が大きく、環境にも優しい鉄道貨物を活用する、切り札になる可能性があったのです。
しかし残念ながら、日本では普及することなく終わりました。
一番の理由は、日本の鉄道の規格。
標準軌と呼ばれる欧米に比べて、多くが狭軌である日本の鉄道は、小さいのです。
一方で、トラックの大きさは、そう小さいわけではありません。
なので、ちょっとでもずれると、トラックがトンネルや他の設備に当たってしまう。
トラックの積載が極めて難度が高く、敬遠されてしまったのです。
JR在来線など、日本の鉄道の多くが採用する、狭軌。
欧米の標準軌に比べると、幅だけでも40cm近く狭い。
高さや空間的にも、かなりの差があります。
この差が、ピギーバックでは大きく出たわけです。
ただし…、
将来、リニア新幹線が各地に出来たとき、今の新幹線が、新たな活用の道を模索するかも知れません。
高速での輸送がリニアに移れば、新幹線を今ほどの速度で走らせる必要がなくなる可能性があります。
しかも新幹線は、欧米と同じ、標準軌。
…思わぬところで、復活するかも知れませんよ!?「ピギーバック」
「貨物新幹線」って形で??