隣の部員が、やたらと僕の名を呼びます。
それも強い口調だったり、明らかに嫌悪感がこもっていたり。
背中からだけど、すっごく気になる…。
「僕、なんかやらかした!?」
いえ、実はね…
そこの部のお客様の代表が、僕と同姓なんです。
それも、お客様なので、こちらは何かと言いづらい立場。
それにかこつけて…激しい要求!らしくて。
すっごく、煙たがられてるみたい。
そう、完全な濡れ衣なんだけど、なんか、効きますね。
ボディブローのように。
ありふれた苗字だと、時にこんなこともあったりします。
同姓が何人もいて、間違えられたり、名前まで名乗らないと区別されなかったり。
あんまり、いい思い出はないんだよな…。
では、珍しい苗字がいいのか?
「名前は覚えてもらえる人と、覚えてくれない人がいる!」
「判子は全部特注!」
実は非常に珍しい苗字の、相棒の意見です。
どっちもどっち、なようです…。