(敬称略)
藤田元司。
背番号73。
僕が本格的にプロ野球を見だした1981年、巨人の監督を引き受けた人です。
それまでの長嶋さんの監督ぶりは、決して順風満帆じゃなかった。
その長嶋さんが監督を退任、王さんも引退して助監督になり、そして原辰徳がルーキーとしてデビューしたのが、この年でした。
1年目からリーグ優勝し、日本一。
2年目もいいところまで行き、3年目も優勝しました。
小学4年生の少年だった僕。
長嶋さんの監督時代は知りませんでした。
しかも、その後の王監督時代も、低迷。
だから、藤田監督はすごい監督だなぁ~と、強烈に印象に残りました。
確かに、プロ野球はその監督だけが良ければ勝てるわけでもなく、前の監督の遺産を上手く生かした結果であることも多いんですが、小学生の子供に、そんなことはわからないので。
その後、再び監督に戻って来ました。
チームはまた強くなり、1990年なんかは、鬼神の強さで日本シリーズへ望みました。
そして…
西武に4連敗。
監督は、選手を一切責めなかったと言います。
この年、僕は大学1年生。
それまでの巨人中心の見方では満足できなくなって、巨人ファンをやめることになりますが、決して藤田さんのせいじゃない。
確かに、あれだけ強かったチームが4連敗ってのは、ショックは大きかった。
でも、感じたのはむしろ、巨人を上回る西武の強さであって、巨人の選手・監督・コーチ陣を責める気は、起こらなかったんです。
こうして、僕の巨人ファン時代は、終わりました。
藤田監督に始まり、藤田監督に終わったのですね。
藤田監督はその後もう2年、巨人の監督を続けましたが、リーグ優勝はならずに終わっています。
それでも、名選手であり、名監督であった、数少ない一人であることは、間違いないところです。