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書くことが多過ぎるとき、バッファーとしてこちらに書きます。不定期更新です。

「シ」の記憶・2…

貨車につくと、「大物車」です。

昔は「重量物運搬車」って言ってたそうで、記号は「シ」になりました。

 

運ぶのは主に、以下のものです。

1.大きいもの

普通の貨車やコンテナに入らないものですね。

ただ、かさばるだけで軽いものは、長物車の担当になるそうです。 

 

1.重いもの

密度が高く、普通の貨車では車軸にかかる重さ(軸重)が大きすぎて、走らせられないもの、かな?

 

1.ばらせないもの

ばらすと戻せないか、極めて手間がかかるもの、ですかね。

 

この3つに該当するのが、発電所で使われる、大型変圧器です。

大型変圧器は、大きくて重い上、電線を巻き付ける構造上、分解・再組立が困難です。

しかも、日本の道路は荷重数百トンにもなる貨物を運ぶようには出来てませんので、港近くを除けば、他に運ぶ手段がない場合が多いのです。

 

なので各社、専用の貨車を用意して、運送を担うわけです。

先ほどの軸重の制限をクリアするために、たくさんの車軸を持ち、分担して運びます。

 

方式は4つ、あるそうで。

低床式は、弓なりに低い床をもつ、構造としては簡単なもの。

それでも、50tもの積載が可能なものもあります。

 

この低床を外せるようにしたのが、分割低床式。

 床を“コロ”を使って線路外に出して、積み卸しをするそうです。

 

落とし込み式は特殊で、大きな太い台枠の中に、貨物を落とし込んで、枠で支えます。

重いがあまり幅が大きくないものに向くそうです。

 

吊り掛け式は荷物を、支持する貨車に吊り掛けますが、事実上、貨車と接合したような状態で、両者一体となって、運ぶそうです。

鉄道車両の限界いっぱいの大きさまで運べますが、吊り掛けられる部分に大きな力がかかりますので、荷物側も最初から想定した設計が必要です。

 シキ700は、なんと280トンもの荷物を運ぶことができるそうですよ。

 

そんな中、16t積み以下の「シム」とか、13t積み以下の「シ」もあったそうで、大物車は大変奥が深いのです。

 

なかなか、お目にかかれるものでも、ないですしね。